樹のはなクリニック開業日記

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ソワール・ド・パリ


雑踏の中でどこからともなく、狂おしい香りが一瞬鼻腔に流れ込んだ。
「ソワールド・パリ」彼女の香りだ。

「キスをして欲しい所につけるものよ」そう言う彼女の瞳には微かに誘うような小さな炎が見えた。

昼間の白衣姿と月明かりに浮ぶ姿態とはどうしても結びつかなかった。
髪を切ってからはさらに年齢がわからなくなり、年上であることを忘れさせる人だった。

今この腕の中で目を閉じ少しだけ唇を緩め淫らな赤い炎のように身もだえする彼女。

どんなに燃え盛っていても芯は醒めて遠くにいる。
交情を深めてもなおこの手から零れていく水のような人だった。
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by kinohanakurinikku | 2008-02-29 00:07 | 小説 | Comments(0)

いちにち


9:00 世田谷区の40歳以下の区民健診。
     福助の散歩がいつもより短くなったが何とか9時3分前に会場に到着。
     15分前に到着する主義なので、少し不満。
     来月1回でこの仕事も終了、看護師さんと話しが弾むので少し残念。

11:30 美容院にシャンプーブロー
      昨夜、自分でセットしたが、余りに不出来。
      担当の美容師さんに、カーラーの方法を伝授してもらう。
      午後医者向けの雑誌の取材があるので、美容院代を奮発。
      ヘアスタイルで、カバーしようとミエミエ。
      美容院を出たとたん、強風にあおられスタイリングの乱れあり。

      

12:30 ランチへ。 お座敷の席が空いていて一人でゆっくり食べられたが
             隣のテーブルの男性が立て続けにタバコを吸い思わず
             手があがりそうになるのを抑えながら、にこやかに昼食を終る。

14:00 「バンブー」という雑誌の取材にインタビューの方がカメラマン同行で来院。
      「先生、髪が膨らんでいますから、ちょっと直してください」
      編集者に注意をされ、少し凹む。
      ふわっとしたスタイリングなのに…
      
      タバコのニオイがすると思っていたら、やはり喫煙者。
      「先生は、よほどタバコがお嫌いなんですねぇ~」
      そうです、嫌いですタバコ。
      
      クリニックを出ようとすると、携帯がなり「コンタクトの洗浄液がなくなった」
      と、息子から用件のみの電話がはいる。
      駅近くのドラッグストアーへ走る。
      途中、患者さん二人に出会う。つい、立ち話をしてしまう。
      ダックスフンドを撫でさせてもらう。以前いたピンキーという名前の
      ダックスを思い出す、すご~っく頭のいい犬だった。
      「はい、左曲って~」さっさと左に向かう犬だった。
      何も教えないのに…
      

18:30 今夜の禁煙の集いの会場にたどり着く
      途中渋滞があり、何とか開始の30分前にたどり着く。
      食堂で、定食を頂く。

      鯖の竜田揚げ・ほうれん草のゆでたもの・酢の物添え、カボチャ・里芋の煮物、
      お味噌汁、鮭と大根の葉の入った混ぜご飯。
      やはり、和食はいいねぇ~と頬がゆるむ。

22:30  約70キロの道のりを、よく無事にと思いながら帰宅。
       お茶、御煎餅、一口チョコを数個食べる。
       こんな事やってるから、太るのよね~と毎晩思いながらやめず。
       明日こそ、チョコはやめようと思う。

長距離を久しぶりに走り、途中は妙にテンションがあがり、アクセルをぐっとふむ。
エンジン音がいいのよね~とシートにスリスリしながら運転していた。

何と、慌しいいちにち…
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by kinohanakurinikku | 2008-02-28 00:18 | 健康 | Comments(2)

幸せ…


車が水しぶきをあげていくような気がして外をのぞく。

そういえば、朝お天気が崩れていくというような事を
いっていた。

診療は18時半頃終了した。
その後カルテチェックをし健診や区民健診の
結果判定をしたり、少し手のかかる診断書の
作成をしたり…

今日はそれをやる前に、明日の取材の為に
掃除機をかけたり、クリニック内の掲示物の
整理をやっていた。

冷蔵庫が時折ぶるぶると寒気がするかのような音がして
また静かになった。

ここ最近は、少し時間の流れが緩やかになったように
思うが、ただ自分だけの為の時間が削られている。

こうして、ものを書くのは気分転換にはなっている。

明日の事を何も考えずに、白いシーツに埋もれ
目が覚めると海の煌めきにくすっと笑う…

そんな時をもてたら…

叶わぬ事を想い溜め息をついているときも
それはそれで幸せなのだろう。
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by kinohanakurinikku | 2008-02-26 22:17 | 感じたままに… | Comments(0)

SAMSARA



世界中の宝石を集めたような夜景が、眼下に広がっていた。

ルビー色の夥しいストップランプ、虹色のお台場の観覧車
ダイヤモンドをちりばめたレインボーブリッジ。

不意に甘い香りが僕を包んだ。

耳元で彼女が囁いた「貴方を好きになりそう…」

あれから何年たっただろう。

仄暗いバーラウンジで猫のような瞳が私を捉えた。
そしてあの時と同じジャスミンと白檀の秘密めいた香り。

「もっと貴方を好きになりそうなの…」

男を弄ぶ大人の女の香りは輪廻という意味。



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by kinohanakurinikku | 2008-02-26 00:32 | 小説 | Comments(0)

うん…


日曜の午前中は、ぼ~っとしてテレビが何となく
流れている事が多い。

いつみても、波乱万丈で東 ちづるさんがでていた。

綺麗な方、口元が笑うと三角になって歯がきらりと
みえる人がいい。

久しぶりにAC(アダルト・チルドレン)という言葉を聞いた。
学生時代の記憶がないと、心理の先生に言ったら
「解離」と言われたそうだ。

人はとても辛い事があると、それを記憶から消失させ
生きやすくする。

なんて、人にも言っていたがはて、自分自身の
小学校高学年から高校生までのあらかたの記憶は
抜け落ちている。

その頃は家庭内のゴタゴタがいよいよ表面化して
千葉の親戚の家に居候していたり
恋ヶ窪の一軒やに住んでいたり、突然母の姿が
消えていたり目まぐるしい年月だった。

恋ヶ窪という地名を聞くと、心が震える。

銀座のある豚カツやは父のお気に入りの店で
時折連れて行ってもらったが、木造の狭い階段を
下を向いて登っていく場面しか思い出せない。

豚カツが美味しかったかどうかもよく覚えていない。

後になって、ウルトラ級の短期で了解不明の怒りを
爆発させる父親が小学生の弟の手にタバコの火を
押し付けた場所と聞いた。


娘の私には手をあげる事はなかったが
一度だけ自宅の前の道で頬を平手で
殴られた事がある。
理由はよく分からない。勘にさわったことを
言ってしまったのだろう。

父に似た中年男性が今だ恐ろしく
小学三年生の女の子に戻っていく、五十路も半分に
近づいた今も。


父の言いつけは絶対で、本好きの子供だった私が
つい書店に入り読みふけっていて待ち合わせの場所に
いなかった事を激怒されお使いに行って持っていた
大福を「お前は、ぬれて言ってもいいが、大福は絶対に
ぬらすな」と言われ泣きながら雨の中自宅に大福を抱えながら
帰った事を思いだす。
父は自動車で先に帰宅していた。


明るくひょうきんな子供だった。
ずっとそういう仮面をかぶっていた。

ACの本を初めて読み、なるほどと思ったのは
40歳の初めだった。

母も成育歴から察するとどうもACなのだろう。

東さんは、母親と一緒にカウンセリングを受け
お二人とも楽になったそうだ。

今年80歳になる母と今更カウンセリングなどとは
思わないが、どこかでまだ母を許していないように思う。


小学3年生だった私が帰宅すると父が
「お母さんは、でて行ったよ、○○<弟の名前>を連れて」

うん、と素直に頷き夜布団の中でひたひたと襲ってくる
涙の海に溺れていった。
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by kinohanakurinikku | 2008-02-24 23:39 | 感じたままに… | Comments(0)

禁煙外来徒然日記より


禁煙外来は保険がきく。
まだ余り周知されていない。
禁煙補助剤としてニコチンパッチ(ニコチネルTTS)が処方できる。


12週間の短期治療、到底この短い期間では難しい問題が
山済だが、12週で終了しなければいけない。

疾病分類は、アルコール依存症と同じ薬物依存症。
アルコール依存症は、治療期間に制限など当たり前だがない。

12週間の途中で中断すると初診から一年間は禁煙外来に
保険適応がなくなる。


病院・クリニックの敷地内禁煙など治療に専従の看護師がいることなど
種々の届け出が必要な事、保険の算定が複雑な事、そして中断者がおおい事
治療状況をお上に報告義務があるなど、厄介な事が多い。

そして、中断率が高ければ治療者もモチベーションが下がる。
無断キャンセルなど日常茶飯事。

禁煙外来やっていますと、届け出をしている医療機関も実際は
開店休業が多い。

そんな中で、私が何故禁煙外来をやっているのか。

タバコが嫌いな理由
開業医の父親を60歳で亡くした事、タバコによる心筋梗塞だと思っている。
家人の父親もスモーカーで脳出血、その妻(義母)は慢性気管支炎。
受動喫煙が長年にわたってあり、本当に気の毒だと思っている。

タバコのにおいは、臭いなのだ。

歩きタバコ、飲食店でのタバコ。

先日近所の蕎麦屋で、彼女は気付かなかったがある製薬会社の
MRが食後のイップク中だった。
次回からは、クリニックには出禁かな。

健康を守る為に医療情報提供をしているMRの喫煙率は高い。

タクシー会社のタバコの自動販売機は24時間販売している。
タクシー内禁煙は、歓迎だが乗務員の健康をより考えるのなら
会社内は禁煙だろう。
数ヶ月前にあるタクシー会社の朝会で禁煙のお話をしたが
事務所内は、白い煙でみちみちていた。

海外の空港の喫煙所のお掃除のオバサンは、防毒マスク着用で
掃除をする。

2030年頃にはタバコによるCOPD(慢性閉塞性肺疾患、長い病名です)
肺気腫、慢性気管支炎が死亡原因の3位に入るはず。
400種類の化学物質と200種類の発癌物質が含有されているなんて
大抵の人は知らないだろう。砒素やアンモニアも入っている。
プルトニウムも、スモーカーの肺の中には一酸化炭素が充満している。
練炭もすと、でる有毒物質と同じ一酸化炭素。

薬物だから、当然やめるのもメンタル依存の高い人は大変な目にあう。

タスポというタバコの自動販売機用のカードは郵送料からカード代金
全て無料。只より怖いものは、ない。
なが~っく吸ってね、という甘い囁きの裏には
命と引き換えという代償が隠されている。

禁煙治療も、中断者が多くめげそうになるがそれに屈しては
医療費削減方向のお上の思う壺。


禁煙治療は、医者としての力が試される試練の場。
だから医者は余り気乗りせず参加しないのだろう。
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by kinohanakurinikku | 2008-02-24 00:03 | 健康 | Comments(0)

味わい


遠くで「ダイをおこします…」と鼓膜が振動している。

シャンプーをして貰いながら8割方寝ていたようだった。
慢性寝不足もあるが、ここにくると安心するからだろう。


予約の15時に何とか滑り込んだ。
1分もかからない場所にある最近通いだした美容院。

髪を洗い、強火でがんがんドライしていた髪。
その後、何もつけずにカーラーを巻いていた髪。

美容師さんに説明をして貰いながら
日々の髪への拷問を反省。

髪も皮膚の一部です。
学校で習ったなじゃい。
皮膚科は病名が何やら難しい漢字が多く
退屈だった。

長年使用している躰のあちこちもお手入れを
怠らずにやるよう心がけないと朽ちていく様が
脳裏をかすめる。

50代はあがきの年…か。

アンティークな味がほどよく香る女が理想…
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by kinohanakurinikku | 2008-02-23 19:07 | 感じたままに… | Comments(0)

十六夜


ひな鳥が餌を貰うように無防備に…

スプーンでゆっくりとお粥を口に入れていく

「美味しい?」「うん…」
一口づつ、冷ましながら注意深く。


甘え上手なカレは、きっとうんと愛されて育ったのだろう。

淡い十六夜の月灯りの中、帰路につく。


「貴女は?」と過去に聞いてみる。

「貴女だけが、頼りなの、いい子だもの、いつだって学校の先生には誉めてもらえるのよ」
母のお呪文がしっかりとかかっていたから、人には甘える事がなかったように思う。

甘えられても、甘えるすべがよく分からないまま。

月が笑っている。

「少しは、素直に甘えてみましょ…」十六夜はそんな夜。
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by kinohanakurinikku | 2008-02-22 23:43 | 小説 | Comments(0)

T.Y.HARBOR( ティー・ワイ・ハーバー)



海の香りのするレストラン

ある方のHPを眺めていたらT.Y.HARBOR( ティー・ワイ・ハーバー)を
みつけた。

心も体もフローティング。
久しぶりに行きたいレストランを見つけた、ちょっと嬉しい夜。


http://www.tyharborbrewing.co.jp/
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by kinohanakurinikku | 2008-02-20 23:50 | 美味しいもの | Comments(0)

公孫樹




水曜のほんの少しだけ自由になる時間を近所の
公園で過ごす。

ザクザクと霜柱を踏み、小さい頃遊んだ広場を想う。
恥ずかしくてとおまきにして見ていた盆踊り、バッタを追い駆けた広場。


硬い蕾の公孫樹の根元に触れてみる。
ざらついた手触りは、大地に根ざし周囲を
独りみつめてきた時間を感じる。


帰り道に、蝋梅の花の香りに会いにいく。
青空に俯いた黄色の花が、心に染み入る。

・・・

最近読んでいるほ、山田 詠美さんの「風味絶佳」

感想は後日。
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by kinohanakurinikku | 2008-02-20 10:52 | 感じたままに… | Comments(0)



夢を叶えるために
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