早朝の散歩は、満ちたりた夜の余韻を蘇えさせる。
昨夜の月を同じ頃みていたという知らせが
とても嬉しかった。
月は女の心を惑わせる。
短い会話の中で、何とも言えず温かい気持ちになって
心が満ちていく。
月が満ちていように、あの方への思慕が満ちていく。
穏やかに燃える暖炉の炎のように…
時に激しく燃え上がる炎に身を焦がして…
あの方とは、不思議な縁で結ばれている。
きっと…月が導いてくれたのだろう。
離れていた年月が二人に準備してくれたのは芳醇なこれからという時間。
女は、静かに時間をかけてそして変わらぬ愛をくださる方が一番好き。