老人ホームの往診が終わり、Nさん宅へ。
ドアの鍵がしまっている、ノックをしても応答なし。
電話をした、でない・・・いや私があせって他の人へかけていた。
再度携帯をよくみて、かけなおす。
聞きなれた声が左の耳に!よかった。
退院されてこれで2回目の往診。
独学で何でも作ってしまうNさん。
自分で縫った着物をみせて貰う。
「昔は、皆自分で縫って嫁にいったものよ」
「えっ、そうですか」
「私ね、テレビによくでるあの女医○子だぃっきらいよ」Nさんよほど気に入らないらしい。
「大抵の人は嫌いじゃないですか」
「ちゃんと、勉強して医者をやれば宜しい」
「お金より、愛よねなんていっちゃって、前は4000万とかいっていたくせに」
「男もお金目当てっているんじゃないですか」
だんだん笑顔になっていくNさん。
世間話も治療の一つだと思う。
堅いばっかりが治療じゃありませんから。
「ちょっと、着物みてごらんなさい」と言われ
着てみていいですかと、早速はおってみた。
なんてやっているうちに「あっ、次の往診にいかなくちゃ」と
ダッシュで二軒目の老人ホームへ。
この老人ホームの方々も安定していた。
14時に約束していたMさん宅へ。
う~~~ん、誰もでない。
この時期お墓参りか・・・
玄関にメモをはさみ、携帯へ連絡をと書く。
一番最後の往診が終わり商店街を歩いていると(丁度お惣菜やで
買い物をする寸前だった)携帯がなる。
「今日はすっかり往診って忘れていたわ、お墓参りに行っていたから」
やれやれ・・・
本日の往診記録をして、帰り道寄りましょ。
今夜のおかずは、先ほど買ったフライにしましょ。
サラダとあとは適当に・・・
1日って、本当にあっというまに終わっていくのです。