昨夜のこと
「1人でも、ちゃんと歩けるようになってから帰りましょうね」
母と話している所へ院長のT先生がひょっこりみえた。
大腸がんの術後、7センチもある大きながんだったが転移なし(ラッキーだった)
経過もまずまずで食事もとれるようになった。
37キロの体重には泣けるが・・・
帰り道T院長の言葉を思い出し嬉しくて胸がふるえた。
ありがたい、言葉。
以前入院していた八王子のT病院は、尿路感染→敗血症→何とか治癒
抗生剤で酷い下痢でふらふらで1人でトイレも行かれない母であったが「Yさん、退院していいですよ」とあっさり担当医から言われた。
退院時も大量の下痢で移動も大変であった、この時当直医の判断で検便をし
MRSA腸炎と後日判明。
入院中は、ずっと常食がでていた。普通のご飯粒、てんぷら、フライがでていた。
ここの病院の看護師や医者は酷い下痢でも普通食を食べる人たちなんだろうな。
担当の看護師達の冷たい目線も耐えられなかった。
心電図や点滴、バルンをしている母にむかって「Yさん、歯を磨かなくちゃ
だめでしょ」と男性看護師の一言。
おまけに母の点滴を抜針した消毒綿を、母の部屋のくずかごに
投げ入れて出て行ったな。
母の表情はいつもこわばっていた・・・
敗血症はよくなったからそろそろ退院だなと思っていた矢先の主治医からの
退院の話。
「あんたね、自分の母親こんな状態で退院させるの?」と言ってやりたい気持ちを
ぐっとこらえ笑顔ではいはいと返事をし速攻M院長の所へ転院。
退院時担当していた看護師「あれぇ、紹介状ないみたいですよ」
切れないように用心し「そんなはずは、ございません。N医師は間に合うようにしておく」
そう言ってましたと切り替えした。
「あぁ・・・ありました」と主任らしき看護師がもってきた。
退院時の準備も申し送りもきちんとされないこのT病院。
ありがとうございました、といいつつも二度と来ないよねと母と話しながら
退院。
転院してからの母は、いつもの笑顔に戻っていた。
病院は色々ある。
病人も色々いる。
入院も退院も大変な出来事だ。
その人の幸せを願って医療を行って欲しいものだ。
臓器は確かに個々であるが、その集合体が人。
人の心に寄り添う努力なくしては、だめなんだな。