「おまえねぇ、生まれてくる子供どうすんの」
「あたし、寅さんと結婚したい」と言った私に真顔で言った父の言葉。
多感な中学生の女の子にきつ~い一発。
「おまえはね、ぶすだから手に職をつけなくちゃぁ、いけないよ」
と日々呪文を唱えられた私。
高校三年の土壇場まで文系のクラスにいたはずが、一浪して
医学部へ。
卒業して、国試に受かりはて・・・どの科の医者になろうかと茫然としていた
30年前の春。
父は娘の事を「はな」と呼んでいた。
ひく~~い鼻の娘を「はな」と呼ぶ父は、乙女の心を結構ずたずたにしていた。
還暦を迎える娘は、今は笑い飛ばせるようになりました。
年を重ねて顔も心も厚くなっていくのは、ありがたい事です。
吉岡 範明著 渥美 清 役者もつらいよ
を読んでいて、父のアッパーカット語録を思い出し、泣き笑いの朝でした。