土曜は、車もぐっと少なくなる。
J-WAVEを聴きながら、柿の木坂通りを走っていると
サイモン&ガーファンクルが最後の来日と、ナビゲーター言い
「卒業」という映画の曲が流れ始めた。
確か中学三年生だった、立川駅近くの天井が落ちそうなそしてどぶの臭いが
しそうな映画館でみた映画。
最後のシーン、ダスティンホフマンが教会の二階から「エレーン」と叫び
花嫁を連れ出すシーン。
私はそれよりも、咥えタバコで黒のストッキンングを履く花嫁の母親に
魅入っていた。
Anne Bancroft、顎の尖ったなげやりで淋しげな表情を思い出す。
「男と女」の主演女優のアヌーク・エーメもその表情に男に対して諦めと
失望を感じさせる。
恋しい人に抱かれていても、空虚を感じさせる女。
そういう女優に少女時代から心惹かれていた。
女児にとっての最初の男性は、父親。
私にとって父親は女を泣かせ、苛立たせそして失望させる人。
自分の女の部分には、きっとそういった部分がいまだに色濃くのこり
二人の女優を投影しているのだろう。
老齢の三國 連太郎さんに傾斜するのはその掌に
すっぽり納めてくれるだろうという淡い期待が私に充満しているからだろう。
桜の花弁が風に舞う。
思慮深く、穏やかでそして愛しんでくれる人が今夜はとても恋しい・・・