白蓮が咲きはじめていた。
昨夜福助と歩いていて月灯りの中白く浮かび上がる
木蓮をみつけた。
先週はまだ固い蕾だったはず。
花の香りは、雨上がりの夜一段とそれがます。
濡れた歩道、芳しく甘やかな春の匂い。
梔子の葉が緑濃く、紫陽花も芽吹いている。
「福助」と呼ぶと「はい、なんですか」という顔で見上げる。
「ねぇ、福助」とまた呼んでみる。
思わず抱きしめる、じっとそのままの福助。
福助は、緊張するとくしゃみをする。
ハァクションと言っているので「ごめんね」と言ってみる。
「いいですよ」そんな顔に見えるのは、こちらの勝手かな。
犬はその目で人に訴える。
猫はその仕草で人に媚びる。
私の周囲には何と犬科の男性が多いことか・・・
ついその目に騙されてしまう。
そう、騙され続けましょう・・・